元職人としての視点・経験を活かしITの力で建設業界に情報革命を

株式会社 職人さんドットコム

株式会社 職人さんドットコム 代表取締役 猪澤 幸男

IPOへの道、第1回目となる今回は、株式会社職人さんドットコム代表取締役の猪澤幸男(いざわゆきお)氏にお話を伺いました。

猪澤社長が株式会社職人さんドットコムを創業された2006年には、すでに多くの業界にITサービスが普及していました。しかし、建設業界にはIT革命の波が起こらず、業界に役立つITサービスも皆無であったことから、「職人さん.com」を立ち上げられました。「職人さん.com」は、建設現場で働く職人の皆さんに役立つ情報を提供する業界に特化した情報サイトです。このサイトの運営によって建設業界の情報格差を是正し、ITの力を活用して建設業界を活性化するとともに、IPOにもチャレンジしておられます。

なぜIPOを目指そうと思ったのか

元々、会社を立ち上げた時、すでにIPOを目指すという明確な目標を立てていました。私がなぜIPOにこだわるかといえば、職人時代、建設業界は情報が見えにくいところがあり、グレーな印象がある、とよく人から言われていたからです。

見えない部分が多く、一般の人から分かりにくいと思われているのであれば、まずは、業界に関するできるだけ多くの情報を集めて整理し、分かりやすく発信することが必要だと考えました。それを具現化したのが「職人さん.com」です。ただ、いくら情報を開示しても、その情報に信頼性が無ければ、グレーな印象を変えることはできません。では、「職人さん.com」の情報を信頼してもらうためにはどうすればいいのか? その答えがIPOです。

私の中では、「上場する=ブランド化」という思いがあります。建設業界の情報サイト運営を通して上場が叶えば、それがそのままサイトの信頼性、そして、この業界の信頼獲得につながると考えています。

職人さん.com 建設業界のさまざまな情報を集約した「職人さん.com」トップページ

事業の進捗状況は?

「職人さん.com」を立ち上げた当時から比べると、現在はスマートフォンの登場によって、環境が劇的に変わりました。職人さんの中にもパソコンは使わなくてもスマートフォンは使う人が多く、特に現場で使う場面が多いようです。
この環境の変化によって、スマートフォンを活用して現場の困り事を解決するサービスを提供できるようになってきました。例えば、足りない資材を買うことができる最寄りの店舗を調べたり、その店舗までのマップを表示したりといったように、現場で活用できるサービスをより充実させていこうとしています。

さらに、建設業界の大きな課題として、職人不足があります。この課題の解決方法として、国や業界団体は女性や外国人の登用に積極的に取り組んでいますが、私たち民間企業はそういった大きな側面ではなく、職人さんの困り事を解決し、仕事効率を上げることで、この問題を少しでも解決できればと考えています。
例えば、資材を買いに行くのに今まで2時間かかっていたところを、「職人さん.com」を活用することで30分に短縮できたとする。すると職人さんは、1時間半多く現場で作業することができます。また、天候悪化で現場作業がなくなった時、「職人さん.com」を活用して、1〜2日のみの短期間で働ける現場が見つかれば、職人さんは時間を有効に使うことができるし、人手が欲しかった現場も助かる。このように、建設現場を知っているからこそできる、きめ細かなサービス提供によって職人さんの仕事効率を上げ、人を増やす以外の方法で職人不足の解消に貢献したいと、新たなサービスを模索しているところです。

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今抱えている課題

人材不足は否めないと思います。現在、神戸と東京を行ったり来たりの生活を送っていますが、ITの技術者は、圧倒的に東京に集中しているイメージがあります。
神戸でITを活用したビジネスを行うためには、もっともっと地元のIT技術者の方とのネットワークづくりが必要であり、それが最大の課題だと感じています。
特にITサービスの場合、環境の変化が激しいこともあり、ビジネスにはスピード感が不可欠です。そのスピードに関しても、東京と神戸では少し違うように感じています。
神戸という地域に根ざしながら、いかに質の高いITサービスをスピーディーに展開していくかが、このビジネスモデルで一番苦労する点です。とにかく、できるだけ早く建設業界に役立つITサービスを確立したいというのが最大の目標ですので、それを達成するためにも、課題解決のために、さまざまな努力が必要だと思います。

一方、建設業界の課題も、すでにお話した通り人材不足ですが、単に人の数というだけではなく、技能労働者が圧倒的に減ってきていることを危惧しています。また、技能労働者の高齢化も進んでいます。若い方は、建設現場=3Kというイメージがあるのか、なかなか業界に足を踏み入れてくれない傾向がありますので、現在の改善された現場環境や、仕事内容などの見える化を「職人さん.com」が担い、若い人が積極的に活用するITを通して、建設業界の魅力に気づいてもらえるとうれしいです。

人材不足解消に役立つコンテンツ 人材不足解消に役立つコンテンツも

現時点で想定するIPO実現時期

元々、2020年の東京オリンピックの年に上場すると宣言しています。それぐらいのスピード感がないと、いろいろとお手伝いいただいているステークホルダーの皆様も納得されないと考えています。
あと、3年と少しに迫ってはいますが、この目標はブレずに持ち続けていきたいと思います。

IPOチャレンジオフィスの活用状況は

特別家賃を設定していただいているため、コスト面でもかなり助かっています。また、このビルに入居したことで、会社の信用性も上がったように思います。東京でも「神戸ファッションマート」に入居していますと話せば、皆さん神戸という地域はよくご存じで、良いイメージを持たれている方も多く、それだけで信用していただける強みがあります。

また、過去に勉強会を実施して頂いたことがありますが、いざというときに専門家の先生にさまざまなサポートをして頂けるということも、非常に大きな安心感となっています。
神戸ファッションマートの担当者にも、普段からいろいろとご相談させていただいていますが、IPOチャレンジオフィスに入居する=相談相手ができるということでもあり、大変心強いです。

IPOチャレンジオフィス

IPOを目指す今後の取り組みは

IPOチャレンジオフィスへの入居には厳しいハードルがあり、当社も多くの書類を準備し、面接も数回経験しました。でも、その厳しい審査があったからこそ、自分たちのビジネスモデルをあらためて見つめ直すことができ、よりビジョンが明確になったように思います。
また、審査に合格したことで、ビジネスモデルへの自信が生まれたのと同時に、選ばれたからには絶対にIPOを成し遂げなければならない、という新たな責任感も生まれました。

私は東京ではなく、ここ神戸でIPOにチャレンジしようと思ったのは、生まれも育ちも神戸だということもありますが、東京は競争が激しすぎるため、かなり優れたビジネスモデルを持っていても、なかなかクローズアップされる機会がありません。
その点、神戸であれば、このIPOチャレンジオフィスに入居できたように、地方ならではのサポートを受けることが可能です。私は、この点が東京にはない、地方の大きなメリットと捉えています。

地方でNo.1になることができるビジネスは、東京でも必ず通用すると確信しています。スピード感と使命感をもってビジネスに取り組むことで、必ずIPOを達成し、それを建設業界の活性化につなげていきたいと思います。


株式会社 職人さんドットコム 会社概要

社名 株式会社 職人さんドットコム
住所 〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6丁目9番地 神戸ファッションマート 4F
事業内容 パソコン及び周辺機器販売及び導入支援
インターネットでの情報通信サービスの企画及び運営
ホームページの企画及び立案
サーバの設置及びその管理業務
インターネット情報提供サービス
インターネット等のネットワークシステムを利用した通信販売業
インターネットでの広告業務
創業 2006年
代表者 代表取締役 猪澤 幸男
資本金 6,600万円(資本準備金含む)
TEL 078-414-8437
FAX 078-414-8438
URL http://www.shokunin-san.com
E-mail info@shokunin-san.com
神戸ファッションマートIPOチャレンジオフィスお問い合わせ先

TEL:078-857-8001(平日9:00〜17:30) E-mail:vv@kfm.or.jp
http://www.kfm.or.jp/office/support/#ipo_challenge