医療介護業界の情報格差をテクノロジーで解消
暮らしたい場所で「クラセル」サービスを神戸から

株式会社 KURASERU

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IPOへの道では、神戸ファッションマートにIPOチャレンジオフィスとして入居されている企業様へのインタビューを通して、IPOへ取り組む姿勢や、神戸ファッションマートのIPOチャレンジオフィスの活用状況などについてご紹介していきます。

第3回となる今回は、株式会社KURASERUの川原大樹(かわはらだいき)代表取締役CEOにお話を伺いました。
川原CEOは大学卒業後、今、一番困っている業界で自身のアイデアを活かし、問題解決を図りたいと考え、介護業界におけるサービスに着目。
まずは業界の現状を把握するために、介護士として2年半、医療ソーシャルワーカーとして3年働き、その後は訪問介護事業所を立ち上げ、福祉業界での経験を積み重ねてこられました。
その貴重な経験から生まれたサービスが、病院・介護施設マッチングサービス「KURASERU」です。誰もが暮らしたい場所で「クラセル」社会の実現へ向けて、IPOを活用したビジネスモデルの構築に取り組んでおられます。

KURASERU開発のきっかけを教えて下さい

私が医療ソーシャルワーカーとして働いていた時、医療機関から退院する高齢者の方の中には、退院後も長期間の療養が必要になる方、特別なケアが必要な方、食事への配慮が必要な方など、さまざまな理由から、自宅ではなく施設への入所を希望される方が多数いらっしゃいました。
受け入れ先を探す時は、ソーシャルワーカーが把握している情報から施設をピックアップし、電話やFAXでのやりとりを何度も繰り返して交渉するというやり方が一般的でしたが、この方法では、ソーシャルワーカー・家族・患者の知識の範囲内という、大変狭い選択肢の中から、受け入れ先を探さざるを得ません。そのため、本当にこの施設で良いのかと悩んでいる患者様を数多く見てきました。
このような、病院と介護施設の情報格差を解消できるサービスとして開発したのが「KURASERU」です。
ITの力を活用することで、症状や状況にあったベストマッチな施設を患者様自身が選択することができるとともに、医療ソーシャルワーカーの業務をサポートできるマッチングサービスで、その人らしい生活環境を誰にでも提案できることを目指しています。

ITの力で病院と介護施設の情報格差を解消ITの力で病院と介護施設の情報格差を解消

具体的に「KURASERU」とはどのようなサービスですか?

「KURASERU」は、2018年1月にリリースしたサービスです。高齢者が医療機関を退院して介護施設に入所する際、施設の選択に必要となる情報をデータベース化し、検索可能にすることで、病院・介護施設・患者様共通の情報として活用でき、適切な介護施設とのマッチングを実現するという仕組みです。
病院で医療ソーシャルワーカーがタブレットやスマートフォンを活用して「KURASERU」のサービスを利用すれば、患者様との面談時、場所を選ぶことなくいつでもどこでも最新情報をご提供できるようになり、リアルタイムでの退院調整も可能となります。
介護施設側では、スマートフォンなどから退院予定者の情報を得ることができ、それに対して素早く対応を取ることができるようになります。また、電話のやり取りでは不可能だった、複数病院への対応もスピーディーに行うことができるようになり、入所の機会損失を大幅に削減することができるというメリットがあります。
さらに、病院と介護施設だけではなく、病院を転院する際や在宅から介護施設へ入居する際のマッチングにも「KURASERU」を利用すれば、病院、介護施設、在宅の医療介護連携が可能となり、医療介護従事者の情報格差を解決することができます。
誰もが住み慣れた街・環境で暮らすことができる社会を作るためには、病院と介護施設がしっかりと情報共有することが必要です。それが実現すれば、最適な医療・介護の環境を患者様自身が選択できる自由が生まれ、誰もが暮らしたい場所で「クラセル」世の中が実現します。
病院、介護施設、在宅医療の3つの領域が、情報を共有し連携する「地域包括ケアシステム」こそ、「KURASERU」が目指すものです。

KURASERUのサービス概念図KURASERUのサービス概念図

ビジネスにおけるIPOの必要性とは?

「KURASERU」のサービスを提供するためには、まず、開発のための資金が必要になります。
また、開発が一通り完了した後でも、今までにない新しいサービスであるため、利用者の声を反映し、トライ&エラーを繰り返しながら、サービスをブラッシュアップしていく必要があり、さらなる機能追加や運用改善を行うためにも、資金は必要になってきます。
銀行などの金融機関は、現在、世の中に存在し、実績のあるビジネスに対しては融資してくれますが、今までにない新しい形態のサービスとなると、なかなか融資が難しいという現実があります。
そうなると、「KURASERU」のビジネスモデルに賛同いただける投資家の方の協力が必要不可欠になると考えました。
この世の中に新しいビジネスモデルを確立するための手段として、私は、IPOを選択したということになります。

ビジネスにおけるIPOの必要性とは?

IPOチャレンジオフィスをどのように知りましたか?

インターネット検索で、たまたま見つけました。私は神戸出身ですので、六甲アイランドに神戸ファッションマートがあることは知っていましたが、そのオフィススペースに、このようなビジネス支援制度があることは、ホームページを通して、初めて知りました。
サポート内容を拝見すると非常に魅力的でしたので、このオフィスへの入居を決めました。

IPOチャレンジオフィスを活用されていかがですか?

IPOチャレンジオフィスについて、個人的に大きな2つのメリットを感じています。
まず、1つ目は格安の家賃です。新しいビジネスの支援方法は色々あると思いますが、私は、家賃補助は、最高で最大のサポートだと思っています。新たな企業を立ち上げる人なら誰でも感じることだと思いますが、初期投資や固定費は、できるだけ抑えたいというのが本音です。
その点、IPOチャレンジオフィスは、特別家賃を設定していただけるため、非常に助かっています。
補助していただいた分をサービスの開発費用や設備投資に使うことができれば、よりビジネスの加速にもつながります。
また、家賃が安いため、広いスペースをオフィスとして使わせていただいており、社員一人ひとりのデスク周りもゆったりとしていて、とても働きやすいオフィスだと感じています。
もう1つ、私がこのオフィスに対して感じているメリットは環境面です。
まず、オフィスから海が見えてとても開放的です。神戸らしさもあり、三ノ宮などに比べると、景色から非日常性のようなものが感じられます。
私たちは、今までにないサービスを作っていますので、クリエイティビティが求められる仕事だと思いますが、このような開放的で、非日常を感じられる環境で仕事をすることは、発想やひらめきなども生まれやすいのではないかと思っています。
IPOチャレンジオフィスは、ビジネスの立ち上げから基盤を作り、軌道に乗せるまでの期間活用するのに、とても適したオフィスだと思います。資金面・環境面からも新しいビジネスを数名で始めたいと思っている起業家の皆さんには、個人的にとてもお勧めです。

IPOチャレンジオフィスを活用されていかがですか?

IPOを目指す今後の取り組みは

今は、「KURASERU」のサービスの収益化を強化していくことにフォーカスしていこうと考えています。「KURASERU」は介護施設から利用料を得る事業モデルで、すでに収益化しているサービスではありますが、この仕組みをより強化していくことが、目下の課題です。
また、収益化を実現するために大切なのが、「KURASERU」にしかない、独自データベースの強化です。現在、神戸市内にある病院100弱、特別養護老人ホームを除く介護施設300強のうち、すでに半分近くの施設情報が、「KURASERU」で検索可能ですが、このデータベースをさらに密度の濃い、強力なデータベースにブラッシュアップしていきたいと考えています。
この2つを進めていきながら、今は神戸市で展開しているサービスを神戸市以外にも広げていき、最終的には全国展開につなげていきたいと思っています。

株式会社 KURASERU 代表取締役 川原 大樹


株式会社 KURASERU 会社概要

社名 株式会社 KURASERU
住所 〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6丁目9番地 神戸ファッションマート 8F
事業内容 介護が必要な方と介護施設のマッチングサービスの提供
設立 2017年10月
代表者 代表取締役 川原 大樹
資本金 1億7,850万50円(資本準備金含む)
TEL 078-855-5776
FAX 078-855-5779
URL https://www.kuraseru.co.jp/
神戸ファッションマートIPOチャレンジオフィスお問い合わせ先

TEL:078-857-8001(平日9:00〜17:30) E-mail:vv@kfm.or.jp
http://www.kfm.or.jp/office/support/#ipo_challenge