eスポーツのトータルマネジメントを通して、
eスポーツが、あたりまえにある世の中を創造する

NGM株式会社

NGM株式会社 代表取締役 北浦諭

IPOへの道では、神戸ファッションマートにIPOチャレンジオフィスとして入居されている企業様へのインタビューを通して、IPOへ取り組む姿勢や、神戸ファッションマートのIPOチャレンジオフィスの活用状況などについてご紹介していきます。

第6回となる今回は、NGM株式会社の北浦 諭代表取締役にお話を伺いました。

北浦代表取締役は、2008年に父親が創業したイベント企画運営会社「株式会社ニュースダスト」に入社し、2015年には、代表取締役に就任。さまざまな地域イベントの企画や運営を手掛ける中で、テレビやネット等を通してeスポーツの存在を知り、興味を持つようになったといいます。

その後、eスポーツ業界への進出を目指して調査などを進めていた時、奇遇にも2019年に国体の文化プログラムとしてeスポーツが開催されることが決定し、兵庫県の代表選手を選出する予選大会を企画・運営する機会を得ます。

これがきっかけとなり、eスポーツのトータルマネジメントを専門で行うNGM株式会社を設立。eスポーツを日常の社会に溶け込む文化とするために、活動されています。

NGM株式会社の事業について教えてください

NGM株式会社は、eスポーツのトータルマネジメントカンパニーです。eスポーツの各種イベント企画・運営がメインの業務となりますが、その他にも、プロゲーミングチームのマネジメント、三宮にあるeスポーツ施設・eSPARKLe KOBE(エスパークルコウベ)の運営、自社の事業にeスポーツの導入を検討する企業へのさまざまな提案など、多岐にわたる事業を通じて、eスポーツの力を活かした社会課題の解決を目指しています。

事業を始めたきっかけは、父親から引き継ぎ、現在も代表取締役を務めるイベント企画会社「株式会社ニュースダスト」で、国体の文化プログラムとして開催されたeスポーツの兵庫県予選大会をプロデュースさせていただいたことです。

それまでもeスポーツについて興味を持っており、業界の調査などを行っていましたが、前述の大会企画・運営を通して、eスポーツ業界の将来性や発展性を肌で感じ、数あるイベントの中の一つとしてeスポーツに関わるよりも、専門的にトータルマネジメントを行う必要性があると思い立ち、NGM株式会社を立ち上げました。

全国的に見ても、同じような事業を行っている会社はまだまだ少なく、特に関西では数えるほどしかないため、関西のeスポーツ業界を牽引していけるような会社に成長していければと思っています。

三宮にあるeスポーツ施設・eSPARKLe KOBE(エスパークルコウベ)

eスポーツ業界の現状と課題は?

eスポーツ業界は、年平均20%を超える成長率で拡大することが期待されており、2025年の国内市場規模(直接市場)は約180億円に達すると予測されています。加えて、eスポーツの大会に出場するための渡航費用、海外から選手が来日することで生み出される経済効果、eスポーツ関連商品の売上などの波及効果(エコシステム領域)まで計算すると、数百億~1000億以上という数字も見えてくる現状です。

eスポーツが大きく飛躍し「eスポーツ元年」といわれているのが2018年であり、この年の2月に「一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)」という団体が発足しました。

2018年以前は、eスポーツ大会における賞金は景品表示法による景品等の最高額、総額を規制する「景品規制」に当たるとされていました。そのため、賞金額は10万円が上限とされると解釈されていました。

ところが、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が「大会に参加する選手をプロ化(JeSUがプロライセンスを発行)することで、賞金を仕事の報酬とする」ことを消費者庁と協議し、さらに消費者庁が「興行性のある大会であれば、プロアマ問わず仕事の報酬とする」との見解を示したことで、それまで曖昧だった法律が整備され、大会優勝者等へ高額賞金の贈呈が可能となり、一気にeスポーツ熱が高まりをみせました。

このように、日本のeスポーツ業界は市場規模や競技人口も右肩上がりの状況です。しかしまだまだ歴史が浅く、eスポーツ先進国である欧米や韓国、中国と比べると、遅れを取っているのが現状です。

ただ、ここ2〜3年の間に、今まで全く歯が立たなかったゲームジャンルの世界大会で、日本のチームが優勝や上位入賞を果たすなど、優秀なプレイヤーも誕生しています。日本国内でもeスポーツの競技人口を拡大し、世界のトップレベルで競い合うプロゲーマーを育成しようという機運が高まっていて、企業もeスポーツ分野に特化した新会社を設立するといった動きが見られることから、世界との差はこれからますます縮まるのではないかと期待しています。

現時点で想定するIPO実現時期は?

現在は、売上ベースでいくと、目標の2〜3合目といったところです。ただ、目標にたどり着くまでの道筋はある程度見えてきており、それが、IPOチャレンジオフィスへの入居にもつながっています。

当社と同じように、eスポーツに特化したマネジメントカンパニーで、2022年にIPOを達成した企業がありますので、その企業の売上規模や社員数などを一つのモデルケースとして、当社もIPOに向けて進んでいきたいと思っています。

今、描いているプロセスがうまく進めば、2030年あたりを目標として、IPOにチャレンジしたいと考えています。

IPOチャレンジオフィスをどのように知りましたか?

実は、神戸ファッションマートでもeスポーツのイベントを開催したことがあったのですが、その当時はIPOチャレンジオフィスの存在を知りませんでした。

その後、株式会社ニュースダストの仕事の関連で、神戸ファッションマートのWebサイトを見ていた時、IPOチャレンジオフィスがあることを初めて知りました。

入居の条件なども当社と合致することが多かったこと、また、会社を立ち上げたばかりで、できるだけ家賃などを抑えたかったため、特別家賃が設定されているIPOチャレンジオフィスは、非常に魅力的だと感じました。

さらに、ゲーム機材などのレンタルを行っているため、広い倉庫も必要となりますが、神戸ファッションマートにオフィスを構えるとその点もクリアできます。

家賃の優遇期間が5年間と定められていることも、自分のゴール設定を明確に決めることができるという点で良いと感じました。

IPOチャレンジオフィスを活用されていかがですか?

当社はイベントの運営会社ですから、日常的に機材の移動を行っています。神戸ファッションマートは荷物搬入用の大きなエレベーターが備わっていますので、重い機材をかなり効率的に移動させることができます。また、地下駐車場には荷捌き場があるため、トラックに効率よく荷物を積み込むことができ、大変助かっています。

また、神戸ファッションマートは、関西圏では商業施設として大変知名度が高く、そこにオフィスを構えていることで、取引先の企業様からも安心感をもっていただくことができます。

その他にも、テナント専用の会議室があるため、大人数での会議にも対応できること、増床がしやすく、拡張性が高いことも魅力です。

従業員の立場で言えば、アイランドセンター駅と直結しているため、駅から徒歩1分、天候の影響を受けずにストレスなく通勤できるというのは、大きな利点であると思います。

IPOを目指す課題と今後の取り組みについて

今後会社が成長し、さらに多くの事業に取り組んでいく場合、すべての事業を私一人でマネジメントすることは不可能です。そのため、会社として事業責任者を配置していく必要がありますが、私と同じようにeスポーツに夢を抱き、同じ熱量で事業を推進できる人材の確保が一番の課題だと考えています。

まず、業界自体が若いということもあり、eスポーツビジネスの経験を豊富に持つ人材が少ないというのが現状です。また、ゲームへの興味や理解も必須ですので、若い方に向いている業界だと思いますが、若さイコール社会経験も浅いということになりますので、経営ノウハウなどを兼ね備えた人材を育てていく必要があると思っています。

当社は、関西発のeスポーツ専門会社という看板を背負ってビジネス展開していますので、どれだけ大きくなったとしても、本拠地は神戸に置きたいと考えています。神戸にしっかりと根を張りながら事業を拡大させ、地元への貢献も果たしていくのが大きな目標です。

2025年には、神戸に1万人規模のアリーナ施設が誕生することがすでに発表されていますが、こうした最先端かつ大規模な会場で、eスポーツを主軸に次世代コンテンツをうまく取り入れた地元の産官学連携によるイベントを手掛けていきたいという夢もあります。

関西、神戸からeスポーツの力で地域を盛り上げ、業界の拡大や地域貢献ができる会社に成長できるように、事業を推し進めていこうと思っています。


NGM株式会社 会社概要

社名 NGM株式会社
住所 【神戸事務所】〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6丁目9番地 神戸ファッションマート 5F
事業内容 eスポーツイベント事業、eスポーツ施設管理・運営事業、プロゲーミングチーム運営事業、eスポーツに関するソリューション事業
創業 2019年7月30日
代表者 代表取締役 北浦 諭
TEL 078-857-2559
URL https://n-g-m.com/
神戸ファッションマートIPOチャレンジオフィスお問い合わせ先

TEL:078-857-8001(平日10:00〜17:00)
http://www.kfm.or.jp/office/support/#ipo_challenge