医療機関・医療従事者・患者を
テクノロジーと仕組みでサポート

株式会社hoope

IPOへの道では、神戸ファッションマートにIPOチャレンジオフィスとして入居されている企業様へのインタビューを通して、IPOへ取り組む姿勢や、神戸ファッションマートのIPOチャレンジオフィスの活用状況などについてご紹介していきます。

第7回となる今回は、株式会社hoopeの望月 良祐CEOにお話を伺いました。

学生時代から事業を行っていたという望月CEOのキャリアは、医療従事者として総合病院で臨床現場を経験することからスタートしました。その後、株式会社リクルートや医業経営コンサルティングファームでの職歴を重ね、起業に至るまでのビジネスの知見を身につけたといいます。

また、医療の世界にも精通していることから、医療業界でのビジネス展開を決意。株式会社hoopeの前身である株式会社UZALINXを創業し、その事業を株式会社hoopeへと発展させる形で展開しています。

医療現場のDX化を進めるクラウドシステムの開発・提供や、医療機関と患者をオンラインで繋ぐプラットフォームの構築、医療機関の自社プロデュース、大型医療機器を使用した全身がんドックサービスなど、医療機関や患者に向けた多角的なサービスを提供しています。

株式会社hoopeの事業について教えてください?

医療業界で事業を展開し、医療機関と患者という2つの主要なターゲットに向けたサービスを提供しています。

医療機関向けには、診察券をデジタル化したサービスや現場のDX化を促進するクラウドシステムの開発・提供や、CTやMRIといった大型医療機器の未稼働時間を活用したサービスを行っています。また、今年1月には大阪・梅田に自社プロデュースの「EXクリニック」を開設しました。

患者向けには「EXクリニック」にて MRIによる全身がんドックや脳ドックを提供しております。

特に、「EXクリニック」での全身がんドックは、被爆を伴うPET検査ではなく、MRIを使用することで、被爆がなく安全な検査をわずか30分という短時間、かつ、低コストで実施できる新しいアプローチによる検査方法です。この方法により、従来のがん検査の安全性、時間、費用の3つの課題を解決し、がんの早期発見に寄与できると考えています。

またMRI未稼働時間をシェアリングする方法で、他施設で実施できる全身がんドックサービスも提供していく予定です。

ビジネスを医療業界に定めた理由は?

学生時代から会社経営に興味があり、ビジネスも行っていた経験から将来的には起業すると考えていました。

しかし、起業にはリスクも伴うため、万が一、うまくいかなくても自分の生活を確保できるように、進学し診療放射線技師の国家資格を取得しました。

資格を取得し、実際に臨床現場に関わることで、医療業界の独特な体質やルール、改善点などについて多くの気づきがあり、また命に直接関わる業界の魅力と素晴らしさを感じました。医療業界で実務経験を積んだ後は、起業に向けて株式会社リクルートに転職し、営業やマーケティングなど、ビジネスの基礎を一通り学びました。

さらに次のステップとして、医療業界の内部を理解している強みと、ビジネスの知識とスキルを活かして、医療の経営戦略コンサルティングファームに転職しました。これにより、医療業界向けサービスを提供する会社を立ち上げるという構想が具体化しました。

IPOを目指す理由と実現時期は?

IPOを目指す理由は、単に資金調達の手段というだけでなく、世の中に大きなインパクトを与えるための重要なステップと捉えています。IPOはゴールではなく、会社の成長と発展における通過点であり、次の段階への橋渡しという考え方です。例えば、現在提供している全身がんドックの事業は、海外からのツーリズム患者も受診されていることから、将来的に海外への展開も視野に入れています。IPOはそのための重要な手段であり、事業の拡大やグローバル展開を実現するための鍵になると考えています。

現在、医療業界における課題を解決するために多くの検証とサービスリリースを実行しています。まずは複数の事業を展開することで、マーケットニーズと利益構造、事業拡大のスピード感など、複数の指標を分析しながら、IPOを目指す上で軸となるサービスの絞り込みを行っています。

また、資金の使い道についても柔軟に対応していくつもりです。例えば、一部の事業を売却することで得られた資金を主要事業に投入するなど、効率的に資源を配分する考えです。最終的には、一つの主要な事業軸に絞り込んだ上で、IPOを実現するための基盤を整え、2030年あたりを目標としてマイルストーンを設計し、事業を進めています。

IPOチャレンジオフィスをどのように知りましたか?

20代のころから、スタートアップによる業界を変える力に興味を持っていました。

地元の神戸へ帰省したタイミングで、神戸からIPOを目指すスタートアップ企業の方々と意見を交わす機会を得て、自分が思い描いているビジネスについても相談させていただきました。

その中に、医療業界でIPOを目指している企業があり、またその企業が神戸ファッションマートのIPOチャレンジオフィスに入居していたため、この入居制度を知りました。それが入居のきっかけです。

IPOチャレンジオフィスを活用されていかがですか?

IPOチャレンジオフィスを活用している中で、多くの利点を実感しています。

外部の企業と連携する機会も多く、IPOチャレンジオフィスは広いスペースを活用することができるので外部関係者が集まる長時間の会議にも対応できます。また、仕事と休憩のスペースを明確に分けることができ、バランスの取れた作業環境を確保することができます。結果、仕事の効率が向上し、業務をスムーズに進めることができています。

さらに、神戸ファッションマートは関西では認知度が高く、入居することで信頼性を得られると感じています。

神戸ファッションマートは複合商業施設であるため、オフィスのみならず、ショップや駐車場の利用が可能で、来客の際にも便利です。最寄り駅から直結されたアクセスの良さや近隣には銀行もあり、実務以外の時間も短縮できて、非常に助かっています。

IPOを目指す課題と今後の取り組みについて

現在サービ提供を行っている医療機関向け、患者向けサービスの他に、医療従事者に向けたサービスの検証も進んでいます。まずは、現在取り組んでいる複数の事業を、確実にスケールさせていく必要があると考えています。

医療業界には、数年間にわたり変化が起きていない領域がいくつも存在しており、その結果、すでに確立された企業が市場シェアを固定し、課題が表面化しにくく、新しい変革の必要性が見えにくくなっていると考えます。

医療業界への参入障壁は高いものですが、私たちはこの状況を打破し、業界の構造を根本から再構築することを目指しています。そのためには、患者や医療従事者の声と真摯に向き合い、確かなニーズを把握することが重要です。新しいテクノロジーと革新的な仕組みを導入し、医療業界に本質的な変革をもたらしたいと考えています。

ビジネスサイドや開発サイド、同じ志を共有するメンバーと一緒に、全力で事業を推進し

より良い医療環境の実現に貢献していきたいと思っています。


株式会社hoope 会社概要

社名 株式会社hoope
住所 神戸市東灘区向洋町中6-9 神戸ファッションマート8階
事業内容 SaaS事業 / システム開発・販売 / 医療機関マーケティング・コンサルティング
創業 2022年11月
代表者 代表取締役 望月 良祐
URL https://hoope.co.jp/
神戸ファッションマートIPOチャレンジオフィスお問い合わせ先

TEL:078-857-8001(平日10:00〜17:00)
http://www.kfm.or.jp/office/support/#ipo_challenge